アロマは香りのためならず

近年、国内でもよく耳にするアロマセラピー。単に香り専門のカテゴリーのようにお考えの人も多いことでしょう。本場西欧では正式にはアロマ"テラピー"と呼称され、それは古来よりオイル(精油や特殊な天然抽出物)を医療法に活用した歴史的背景に由来した模様です。一方、東洋でも香りで言えば「お香」、医療分野では「漢方」と古来から建て別けて認識され、アロマが決してアジア側に無縁ではない事がエジプト考古学の急速な解明に呼応して、注目を集めるようにもなりました。東洋にみる各種医療術等にもまた捨てがたい魅力を実は秘めているのです。
東西での解析・究明が進む時代に生まれ合わせ、新しい発見を知るにつけ更なる興味や感動を覚えるのは私個人の錯覚に過ぎないのでしょうか…

キフィ由来

キフィ(kyphi)。響きがいいですね。その響きだけに浸って中身(意味)に無知だったのは私だけ…かもしれません(笑)。実は紀元前後の古来にも親しまれた言葉らしいのです。クレオパトラの存在したエジプトの王朝時代まで遡っても実在し、彼女の魅力の源であったとも囁かれています。このキフィの匂いに包まれた故に他ならぬ…と。その他、エジプトの神官たちが毎日3度香を焚く風習があったとローマ帝政時代のプルタコスという著述家の記述にも登場し、取り分けキフィは夕方に使用する練香を指す名称でした。後にフィトテラピー等の植物療法を指す療術的名称を経て、次第に呼称を殊にしながら現在の『アロマ』名称に至るという変遷の粗筋です。

キフィからアロマへ

精油にみるように天然植物成分を抽出する精製分野は香料の他に医療(テラピー)・美容へと用いられる等、裏舞台で暗躍しています。そもそも精油が現在のアロマとの名称で囁かれ続けた発端となるは約100年程前、とあるフランスの学者が名付けて以来テラピー・セラピー(療法)となった説が有名です。アロマテラピーの名は徐々に世に浸透し、『芳香』の意味で日本まで及び広まりを見せ始めるのはここ3~40年前の事です。現在でも日本及び東洋ではヨーロッパとは違い、医療免許所持者が専門的施しを加えることもなく、各個人がリラックス目的等で精油のような各種濃縮成分を用いる事も自己責任の範囲内で可能です。

アロマテラピーとは

テラピーは療法を意味し、単語全体では癒し獲得の手段のイメージに近づきます。
主な用途2種。

  1. 直接塗る事で素肌を刺激
  2. 香りで脳を刺激

いずれもアロマオイルやエッセンシャルオイルと呼ばれる精油を使用してミクロなレベルで刺激が脳から身体にまで至り癒しを得ます。使用用途を誤らぬよう専門知識を備えたアロマセラピストさん等が日本にも存在します。

精油分野の解明・分析

漢方(療法)のように薬効が昔から認められ、ある程度体系化・資料化された分野が東洋にはあり、同時にそれはアジアのイメージを形成する一要因です。今後精油も分析解明される中に各種療法にも新たな旋風が巻き起こるかもしれません。科学技術の急激な発達に伴い現在ミクロ分野での成分や薬効の解析も目覚ましく、競うように成分の分析が進められる中に東洋の漢方の成分データや、元来の処方主旨・ポテンシャルについて見直され、各ミクロ研究の全体像解明の一助となる等、東洋の古医学がアロマを機縁として再認識さる一面もあります。東西の共通成分が発見・確認されたり…と。アロマは今後より多岐な効能の解明が待たれ探究心を擽らせるカテゴリーと言えます。将来性にロマンを抱かずには居られない!ですね。

HOME

inserted by FC2 system